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笹田隆志の提案

サイトタイトル

スタンダード

サイトタイトル

 

1 議員報酬等を削減(報酬30万、調査費・日当廃止)し、予算を教育費・社会福祉費へまわします 

  私は年金(年額で200万円)をもらっているので、報酬は辞退してもいいと考えています。市会議員の年収1000万円は高すぎると思います。 

2 庁舎の建替えは市民要望にそい速やかに実行します  

​3 公立大学などの施設を活用し、市民が外国語(英米語・中国語・韓国語)を学べるようにします 

4 ねぶたや青森の特産品(りんご・米・カシス・七子八珍)で全国へ魅力発信し観光客を誘致します  

5 八甲田山の自然(温泉・高原保養地・スキー場)とむつ湾・青森港を積極的に利活用(ホタテなど湾内漁業・大型客船寄港地・フェリー基地として)します  

6 子ども・高齢者・障がいのある人たちが共生できるやさしいまちづくりをすすめます

7 経済・文化・交通・防災のまちづくりを広域ネットワークですすめます

 

 

 

 

【2016年12月12日】

    

2017年社会民主党政策制度対県要望書

Ⅰ. 雇用・労働・経済・税制政策

 1. 雇用の安定・創出に向けた取り組みについて

 青森県の2016年8月の有効求人倍率は1.10倍となっており、7月と同水準で高い水準となっているものの、正職員有効求人倍率は0.66倍であり、全国平均(1.37倍)と比べ低い状況にあり、格差が拡大しているとともに雇用のミスマッチもみられます。加えて、新規高卒者・大卒者の県内就職(正規職員での)希望者が増えている状況もあることから、雇用創出に向けた実効ある中長期計画を策定し、優秀な人材が県内に就職できる環境が構築できるよう取り組みしていただきたい。

 2. 青森県の賃金・労働条件の向上について

 2016年6月の厚労省の賃金構造基本統計調査によれば青森県の男女計の所定内月額賃金は23万5600円で全国最下位であり、全国平均より4万円低く、最高の東京都とは14万7400円も低いという実態にあります。全国最下位の賃金実態の克服に向け、県外への人材流失の防止、女性の就労促進、非正規労働者の処遇改善のための取り組みを実効あるものにしていただきたい。併せて、青森県職員の賃金実態も全国低位水準にあり、県職員をはじめ、県内自治体労働者の賃金改善もすすめていただきたい。

2016年青森県の最低賃金は716円であり、全国平均(823円)より107円低く、東京都(932円)より214円も低い実態にあり、逆に格差が拡大しています。県内各企業に対して、賃金改善と最低賃金を時給860円以上とするよう強く指導していただきたい。

 あわせて、賃金だけでなく、労働条件向上にむけて県内企業に対して知事がリーダーシップを発揮して労災事故の撲滅にむけた対策も含め実効あるものにしていただきたい。

 3. 公契約条例の制定に向けて

 公共が発注する事業(公共工事)においては、公共サービスの質の確保、地域経済及び地域社会の活性化、地域における適正な賃金水準の確保により、住民の福祉に寄与することを目的として、県が率先して県発注の公共工事の入札において公契約条例を制定し、応札企業の労働者雇用条件の規制基準を設定し、併せて県内市町村に対する指導も強化していただきたい。

 

Ⅱ.福祉・医療政策

 1. 切れ目のない医療サービスを提供する体制の確立について

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される平成37(2025)年の「地域包括ケアシステム」構築を着実にするための「地域医療構想」を策定するにあたり、以下の項目を盛り込み策定していただきたい。

せ ① 地域医療構想には、医療機関(病床)の機能分化と連携や、認知症高齢者対策を含む医療と介護の連繋を推進するための具体策を地域医療構想に盛り込むこと。

 ② 国の「地域医療構想策定ガイドライン」で示された各医療機能の分類(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を行い、2025年における医療機能ごとの必要量を適切に推計すること。

   また、慢性期の入院受療率に見られる地域差の解消目標を2025年までに達成してすること。

 ③ 病床機能報告制度で得た情報を住民にわかりやすく公表し、医療機関の選択に資する情報提供をおこなうこと。

 ④ 2014年度診察報酬改定による急性期病床(7対1看護配置)の要件強化を踏まえ、医療機関の機能分化を通じて、退院/転院患者の受け皿となる病床(地域包括ケア病棟など)の適切な整備をおこなうこと。

 2. 青森県の医師・看護師の確保に向けて

① 医師・看護師など医療従事者の離職を防止し、地域の医療人材を確保するため引き続き医療勤務環境改善支援センターと連携しながら改善をおこなっていただきたい。

医療従事者へのアンケート調査では、「努力に見合う賃金改善」「休日の容易な取得」「夜勤や時間外労働など労働時間管理の徹底」「夜勤・交代制勤務における勤務間の十分なインターバル時間の確保」の要望が多かったことから重点課題として対応していただきたい。

また、ワーク・ライフ・バランスの確保を重視し、出産・育児を理由とする離職防止をはかるため、従事者が選択できる多様な働き方や、育児・介護の両立支援などの環境を整備していただきたい。

② 併せて、自治体立(公立)病院改革ガイドラインに基づき、自治体立病院の存続、病床数の確保、ならびにマンパワーの確保に特段の援助をしていただきたい。

3. 地域共生型ケアサービスの提供について

富山型デイサービスとして、高齢者・障害者、子どもが空き店舗、空き家などのスペースを活用して、そこに共生することが注目されています。これは、厚生省が財政支援する「地域共生型福祉施設」です。この取り組みは地域住民が誰でも参加でき、地域に密着した施設を運営することで、それぞれの負担の部分を補い、効果がでている事例が北海度をはじめ、全国で数多くあります。この制度を活用すれば、国から市町村に対する交付金「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(ハード交付金)」と「地域介護・福祉空間整備推進交付金(ソフト交付金)」が得られます。

したがって、受け入れるNPOなどを選出するとともに補助をおこない地域共生型のサービスの推進と普及をはかっていただきたい。

また、小規模運営とは別に既存の大規模施設の空きスペースや民間で新たに設置する施設へ高齢者と子どもが隣接する施設などをつくり、上記と同様にメリットを活かした都会型の共生施設についても検討しながら推進していただきたい。

4. 生活困窮者の自立支援体制の確立について

平成27年4月から生活困窮者支援法が施行され必須事業となった、「自立相談支援事業」「住居確保給付金」などについて、運営などを明確にしたうえで確実に実施するとともに滋賀県野洲市などの好事例の情報収集に努め、事業の改善をおこなっていただきたい。

また、就労準備支援事業・一時生活支援事業・家計相談支援事業・学習支援事業その他生活困窮者の自立促進に必要な事業などの任意事業について、積極的に実施するとともに、あわせて、補助率については4分の3とするよう国に働きかけていただきたい。

5. 児童虐待の問題について

児童虐待防止法では、児童虐待を保護者がその監護する児童に対し、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、育児放棄などの行為をすることと規定しています。児童虐待を受けた児童は、「暴力行為の加害者もしくは被害者」、「不安や自己破壊的行動」、抑うつ、喫煙、肥満、ハイリスクな性的行動、などの疾患の原因になるといわれています。

近年の調査によれば、児童虐待の実数は横ばい状態にあるとされていますが、児童相談所における児童虐待の相談件数は増加しており、児童虐待によって子どもが死亡したケースは増えている実情にあります。

日本は欧米諸国と比較して児童虐待を担当する職員が少ないという特徴があり、それだけに児童相談所の児童福祉司の増員が必要であり、相談所のあり方も含め改善を図っていただきたい。

 

Ⅲ. 子育て・教育政策

 1. 新規学卒者の離職防止のための学校教育について

新規高卒者の入社・就業3年後の離職率は平成23年のデータで48.9%と全国平均に比べ9.3ポイントも高い状況にあり、県内の前年度比較でも2.5ポイント高い状況にあります。現状として非正規労働者が増加傾向にあり、一旦離職してしまえば正社員にはなかなかなることが難しい状況となっています。

 したがって、働くことの意義やワークルールについて、働く前に学ぶことが重要と考え、学校授業などへ職場体験談やワークルール、キャリア教育など学ぶ機会を増やすとともに、県立農業高校や実業高校を5年制として短大を併設し、各種国家資格を取得できる専門学校とすることも検討していただきたい。

 2. 小学校への技術・技能を体験させる取り組みについて

高い技術・技能を受け継ぐ優秀な人材を確保するため「ものづくり」の魅力を伝える教育を強化する必要があります。ものづくりの技術者を育てることが、新たな技術を生みだすことになり、学校と県内企業との連携や優秀な人材の就職により県内の企業が発展することに繋がります。

 ものづくりに興味を持たせるためには、小さい頃からのふれ合いが重要と考えます。そのことから、青森県内では自治体や民間企業で設置されている科学館、PR館などを活用し、小学校の野外授業や遠足または優待券を発行するなどして「ものづくり」や技術・技能を学ぶ機会を増やしていただきたい。

 また、必要に応じて学校に対して施設利用・交通費などの費用の補助を実施するとともに割り当てなどをおこないながら数年で全校が体験できるなどの措置をおこなうこと。

 特に伝統工芸品として、津軽塗、黒石こけし、八幡馬、こぎん刺し、鳩笛などについては工芸家の成り手がいなく文化が引き継がれない懸念もあることからその対策をおこなっていただきたい。

 3. いじめ・体罰・不登校問題の解消に向けて

近年、「いじめ」が原因の可能性のある自殺が起こっています。結果は「いじめ」が直接的な原因でなかったものもありましたが、いずれも「いじめ」の実態があったことは明らかになっています。

 また、教師による行き過ぎた体罰についてもニュースになっています。このようなことから、養護教諭を複数配置するとともに、スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーをすべての小・中学校に常勤配置していただきたい。

 4. ICTを活用した学力強化の推進について

全国的に教育現場においても、ICTを活用した環境が整備され普及しています。

 しかしながら、青森県については教室内のLANの整備率、校務パソコンの配備率、ICTの活用率が全国平均以下となっています。

 今後のスピード感あるグローバル化への対応や学力強化のためにも教育現場でのICTの整備、ICT活用の推進に向けた市町村への支援を強化するとともに、教職員に対するICT教育についても活用の実態を把握したうえでスキルアップに向けた研修をおこなっていただきたい。

 5. 司書教諭・学校司書の配置増員、公立図書館の直営化について

 青森県の公立小・中学校の学校図書の蔵書数は全国最下位水準にあり、司書教諭の配置状況は、平成24年5月現在で、小学校が44人、中学校が18人となっていて、発令率も21.2%、16.1%と全国平均の23.9%、26.0%を下回っていますので司書教諭の増員をしていただきたい。併せて、学校図書の購入への援助と学校図書の貸出しを増やすために、学校司書の大幅増員もしていただきたい。

 併せて、公立図書館の運営の直営化を堅持し、安易な指定管理者制度の導入は行わないよう指導を強化していただきたい。

 

Ⅳ. 環境・防災政策

 1. リサイクル率を高めた低炭素型社会の実現について

青森県は一人あたりの一般廃棄物のゴミ排出量が多い現状にあり、全国でもリサイクル率が下位の状況となっています。一般家庭ゴミの分別とリサイクルステーションの更なる活用やオフィス、県内各市町村に対する積極的な啓蒙とゴミの減量化の推進を図っていただきたい。

 事業系のリサイクルの向上については、八戸市で実施しているエコタウンのようにゼロエミッションをめざし、エコ実践企業などと連携して更なるリサイクルの向上に取り組むとともに、食品残さについては、フードバンクの利用などについても検討していただきたい。

 2. モバイル等を活用した災害情報について

東日本大震災から早くも4年が経過しており、災害に対する認識は高まっています。しかし、最近は今までの常識や想定をはるかに超えた巨大台風や竜巻などが発生しているとともに洪水や土砂災害も各地で発生している状況にあります。

 現在、様々なところでモバイルによる防災に関する情報発信をおこなっているところですが、河川の水位情報や暴風情報、その他の気象情報など県または各市町村で推奨するアプリなど、万が一に備えるための情報の取り方について広く周知していただきたい。

 また、災害発生時に土地勘がない観光客への災害情報をリアルタイムに配信するための対策をおこなうとともに、日本語のみならず英語、中国語・韓国語など多言語での対応をおこなっていただきたい。

 3. 環境に配慮した自然共生型防災社会の構築について

 観光立県をすすめる本県にあっては、環境に配慮した観光自然資源の保全とともに里山と観光施設が共存共生しつつ、しかも災害に強いまちづくりが求められています。自然災害の少ない本県の利点をさらに有効活用するとともに、自然とヒトが共生できる防災の面でのメリットを強調する施策を講じていただきたい。

 

Ⅴ. 農林漁業政策

 1. 農村の所得対策と集落維持について

「日本創成会議」増田レポートでは、県内40市町村のうち35市町村が「将来的に消滅する恐れが高い」と指摘されています。

 本県の基幹産業は一次産業であり、「攻めの農林水産業」を掲げ所得と雇用の確保を目指すという農業政策は十分に評価できるものです。しかしながら、とりわけ人口の減少が著しい農山漁村においては、いわゆる集落の消滅が喫緊の課題であるとともに、集落の消滅は地域文化の消滅のみならず、農地や山林など国土保全や環境の観点からも大きな課題であります。

 2014年産米価は大幅な下落となり、大規模経営農家ほど大きな影響を受けました。

 このような農林水産業を取り巻く環境は、コメの生産調整の廃止や経営安定対策の段階的縮小などで一層厳しさを増しています。県独自の取り組みとして、戸別所得補償制度により農業経営の下支えをすることにより、持続的再生産可能な制度の創設を検討していただきたい。

 2. 水産業の担い手育成と経営の安定化について

水産業の担い手育成のため、就業準備講習や漁業就業相談会の開催、漁業現場での長期研修などの支援を通じ、漁業への新規就業者を促進するとともに、漁業における、安全操業の確保や労働条件の整備を推進し、雇用管理の改善に努めていただきたい。

また、「資源管理・漁業所得補償対策」の加入率向上や、「水産業体質強化総合対策事業」の実行などによる生産性・収益性の向上などを着実に推進し、漁港の一般利用を促進させ、併せて漁業従事者の所得確保ならびに持続的かつ安定的な漁業経営の確立をはかっていただきたい。

とりわけ、地球温暖化の影響とみられる陸奥湾内の海水温上昇に伴うホタテ漁業等の被害等について早急な対策を講じていただきたい。

 3. 林業の人材育成と国産材の利用促進について

森林整備を着実に推進し、森林の他面的機能を持続的に発揮するとともに、林業の安定的発展と山村の活性化を図っていくために、森林施業の集約化、路網の整備、人材の育成等を積極的に進めるとともに国産材の振興により、森林・林業の再生を図ることが緊要となっています。とりわけ、再生可能エネルギーの推進にむけて、木質バイオマス燃料のための間伐材・リンゴ剪定枝などの供給体制の確立を図っていただきたい。

 「農林水産業・地域の活力創造プラン」および改正森林法等に基づく、「緑の雇用」事業などの支援・環境整備の充実を図るとともに、「人財育成マスタープラン」に基づき、地域林業を指導するフォレスター及びフォレスターを現場で支える人材の育成を図っていただきたい。

 また、林業における労働安全の確保や労働条件の整備を推進し、雇用管理の改善に努めるとともに、国産材の利用促進を通じて、木材自給率の向上を図り、違法に伐採された木材を輸入しないよう監視と規制を強化していただきたい。

 4. 森林保守の予算措置と森林環境税の導入について

 水源涵養や山地災害の防止、木材生産など多面的機能を持つ森林は重要であり、長期的な森林整備計画が必要となっています。

 山村の荒廃が深刻化している現在、森林の機能維持や回復を図ることが課題であり、森林資源の循環利用を通じた、将来のCO2森林吸収量を確保するためには、長期的な森林整備計画が必要であります。

 森林・林業・木材関連産業の活性化に向け、二酸化炭素吸収源対策と併せ、戦略的な投資予算や安定的な財源となるよう、森林面積約64万ヘクタール、県土の約66%を占める本県の森林を守るため、具体的に予算措置が拡大されるように国、関係機関への働きかけを一層強化するとともに、県としても森林環境税を早期に導入する等、予算拡大を講じていただきたい。

 5.TPPに反対し本県農業を守ることについて

 TPPの締結に反対し、本県農業と農業者を守るために政府に対して、積極的に意見反映を行っていただきたい。

 

Ⅵ. 公共交通政策

 1. 運転免許返納者に対する優遇支援措置について

高齢者は今後ますます増加していく傾向にあるなかで、高年齢者は視力が低下することや反応速度が遅くなり、ブレーキとアクセルの踏み間違い、一方通行の逆走などの事故も見受けられています。

 青森県では「運転免許自主返納者支援事業」を展開し、企業の協賛を募り運転免許を自主的に返納しやすい環境を整備し、高齢者に係る交通事故の防止を図っておりますが、企業の協賛だけでは事業の拡充を図ることは難しいことから、公共交通機関やタクシーなどの利用の促進と、交通事故を未然に防ぐ観点から運転免許自主返納者への優遇措置の内容を、今よりさらに内容を拡充するための措置を講じていただきたい。

 併せて、安易なライドシェアによる市民タクシーの導入は、公共交通の安全性確保の観点から阻止していただきたい。

 2. 青森県内の高規格道路の早期完成について

本県の景気を活性化させるためには、円滑な物流と安全な道路の確保が必要であり、地形事情を配慮した主要都市間をつなぐ高規格道路の早期完成を図っていただきたい。

 3. バリアフリー法施行に伴うバス停等の整備について

平成18年12月に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)が施行され、路線バスには車いす対応車両が導入されています。しかし、バス停において、歩道の段差等によってうまく乗降装置(スロープ)を使用できない箇所がたくさんあり、場合によっては、道路の中央に停止しないと乗り降り出来ないといった不都合も生じていることから、高齢者や障がい者に優しいバス停の環境を整備していただきたい。

 4. 交通政策基本法に対する対策について

2013年12月、人口減少、少子高齢化、国際競争の激化、巨大災害の発生など、交通による環境への負荷の低減、交通の適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携と推進、交通に関する施策についての基本理念を定め、国の責務を明らかにしたのが交通政策基本法で、この法律によって交通政策基本計画が策定されています。基本法の制定により、地域公共交通活性化・再生法が見直しされ、県では市町村と協同で、「活性化再生法定協議会」をつくれることになり、頑張っている地域が重点的に国の支援を受けることができるようになっています。法定協議会により、事業者と自治体の対等な関係づくり(パートナーシップ契約)、モードフリー制度(おでかけサービス提供)でタクシーを乗用事業として公共交通として機能させることも可能となります。

この法律を活用して、今後の地域公共交通改革を実効あるものにしていただきたい。

 

Ⅶ.まちづくり政策

 1. 人口減少に対応した経済政策の創出

国は、「人口減少と地域経済縮小の克服」、「まち・ひと・しごとの創世と好循環の確立」を基本的な考え方として、2016年3月までを目処に地方版「総合戦略」を策定することを努力義務としています。

 しかし、地方自治体においては公務員の人員不足などから策定が困難な場合があることから、地域活性化のために県がリーダーシップを発揮し、その策定のための情報提供やアドバイスまたは人員を派遣していただきたい。

 また、策定にあたり首都圏などのように一極集中することがないよう、圏域として調和のとれた発展に繋がる施策を展開するとともに、今後の見直しにあたり、「しごと」をしている労働者の意見が必要なことから審議会や意見聴取の場を設けていただきたい。

 2. 雪に強いまちづくりに向けて

毎年、青森県内は12月から2月末、津軽地域を中心に大雪に見舞われます。

 また、降雪の少ない県南地域においても一昨年度は大雪に見舞われました。毎年、雪に伴う除排雪については、住民から多くの除排雪に関わる問い合わせが寄せられています。

 ICT技術の進化により、リアルタイムに降雪量の測定が可能となってきており住民が降雪模様の映像を撮影し、各自治体へ情報提供する仕組みも可能となっています。

 したがって、限られた人員の中で除排雪を円滑に進めるため、各自治体に対しICTを活用した対策を推進することの指導と支援をしていただきたい。

 3. 観光客誘致強化・推進に向けて

2016年3月26日には、北海道新幹線の開業により青森全域と函館との間の交流人口の拡大が期待されます。クルーズ観光の需要の拡大やアジア地域の経済成長に伴い、外国クルーズ客船のアジア配船は増加しています。県庁職員をはじめ、市町村職員の英語力のスキルアップをはじめ、英語・中国語・韓国語のできる職員の配置とともに、県民を対象とした語学教室の開設など、一体となったおもてなしの体制を図っていただきたい。併せて、外国の出来る人材の活用を図るため、ボランティア募集窓口を開設していただきたい。

このような中、訪日外国人観光客からは、道路・施設の標識等に英語・中国語・韓国語の表示や、観光先での情報収集に利用するWi-Fi の接続性について多くの不満の声が聞こえています。

 観光客の誘致拡大に向け観光客の動線を意識し観光・防災拠点/宿泊施設/交通拠点等への外国語での表示や、広域にわたるWi-Fi 整備を2020年のオリンピック開催を1つの節目に段階的に実施していただきたい。

 また、Wi-Fi の整備については青森県庁が主導して利用者がどこでも簡易に利用可能なように認証方式の統一化などの整備を図っていただきたい。

 4.  下北半島縦貫道路の早期完成について

 下北半島縦貫道路については、下北半島と上北地域を結ぶ道路が限られており、豪雪等による交通障害発生時には国道279号線のう回路として、また原子力施設のUPZなどの関係から縦貫道路の早期全線完成が強く求められているとともに豪雪などの災害時の対策を講じていただきたい。

 

Ⅷ. 核燃・資源・エネルギー政策                      

 1. 原発・核燃料サイクル政策について基本的な考え方について

県民生活の安心と安全を守る立場から、青森県内に存在する原発と核燃料サイクル施設については、2011年3月の福島第一発電所の事故をみるまでもなく、いまだ県民の不安を払しょくされていないことから、再処理工場をはじめとする核燃料サイクル施設を廃止し、東通原発と大間原発、むつ中間貯蔵施設についても稼働に同意しないでいただきたい。あわせて、六ヶ所再処理工場に搬入されている使用済核燃料を即刻、発生源の原発に搬出していただきたい。併せて、再処理工場のアクティブ試験で再処理され発生したウラン、プルトニウム、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体、廃液)などのすべての放射性物質を発生源の原発へ搬出していただきたい。

 2. 原発・核燃サイクル施設等原子力施設の安全性について

 2011年3月の福島第一原子力発電所の事故により、国の原子力安全規制が原子力規制委員会に一元化され、既存の原発・原子力施設についても新規制基準がバックフィットされることになったことから、本県に立地する原発・核燃サイクル施設(六ヶ所再処理工場・MOX燃料加工工場、東通原発、むつ使用済み燃料貯蔵施設、大間原発)においても再稼働するにあたり、新規制基準によってその適合性審査を原子力規制委員会が行うこととなっています。その他の原子力施設も現在、原子力規制庁で審査を行っています。

 これらの施設の稼働・再稼働にあっては県民の安全・安心を第一義として、福島原発事故の教訓をいかし、県としての独自の規制のあり方も含めて検討し、安全性の検証にあたっていただきたい。

3. 原子力防災対策の充実・強化について

福島第一原子力発電所の事故を受け、原子力発電所における緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)が30㎞に拡大され、東通原発において対象となる自治体(東通村、むつ市、六ヶ所村、横浜町)では、防災計画等の策定を行っています。

 しかしながら、避難時の体制が未整備の自治体もみられることから、実効性の確保に向けて、青森県が強いリーダーシップを発揮し、国との連携や協力体制を含め積極的な検討および対策を講じる支援の強化をおこなっていただきたい。

 また、青森県において、原子力発電所で原子力災害が発生した場合の広域避難に係る諸課題について検討し、避難対策の充実・強化を図るために「原子力災害避難対策検討会」が設置されていますが、2015年9月15日における検討状況をみたときに、PAZ県内の3千人の避難計画、UPZ圏内の7万3千人の青森市や弘前市の避難所への避難計画はあまりに実効性に乏しいものとしかいえず、夜間、厳冬期の避難計画と合わせ、繰り返し避難訓練を行いつつ、実効性を高めて県民の不安を払しょくしていただきたい。

 加えて、避難時における避難場所(受け入れ先)や必要物資拠点の設置に向けて、いまだに避難所の設定や要員確保計画が定まっていないことなど、青森県内のみでは対応が完結できないことも考えられることから、隣県との協力体制を構築することも併せて検討していただきたい。

 4. 放射線およびエネルギー政策に関する県民への理解活動、将来を担う人材の育成について

 青森県では、「モニタリングつうしんあおもり」等の広報誌を定期的に発行し、原子力施設周辺における空間放射線の測定結果等を公表することで、放射線に関する正しい知識の普及につとめています。

 一方、エネルギー政策に関して、「エネルギー基本計画」の策定など、一義的には国が責任を持って策定するものでありますが、エネルギー政策をめぐる課題の解決のためには、県民の原子力に関する心理とともに、日常生活や雇用、産業・経済活動に密接に関係することから、県民の理解と協力が不可欠です。

 ついては、放射線に関する知識の普及活動については、原子力推進側の情報だけではなく低線量被曝の新しい知見も含めて継続するとともに、エネルギー政策をめぐる日本の現状や国際的な動向、再生可能エネルギーや原子力発電の諸課題等についても公正・公平に広報・コミュニケーション活動を行うことで、県民の不安解消や理解度向上に資する取り組みを進めていただきたい。

 あわせて、青森県および日本の将来を担う子どもたちに対して、4年半以上経過した現在においても原発から45km離れた福島県飯舘村では10倍の放射線量を測定している福島原発事故を教訓として原子力をめぐる様々な見識や考え方を示して、資源やエネルギー・環境に関する教育に積極的に取り組んでいただきたい。

 5. 再生可能エネルギーに関する技術開発の促進や導入支援等について

 エネルギーの安全保障や地球温暖化対策等の観点から、より一層、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電や地熱発電などの再生可能エネルギーの導入を進めていくことが重要であると認識しています。

 一方で、導入の拡大にあたっては、発電コストの低減や需給調整や系統の安定化対策、高効率・大容量蓄電池の開発・実用化等の課題も存在します。

 青森県においては、「青森県エネルギー産業振興戦略」を策定し、再生可能エネルギーの導入や関連産業の振興に取り組んでいます。県民の負担抑制やエネルギーの地産地消(PPSの導入・設立)を進めていくためにも、国や関係機関と連携し、CO2排出量削減を含めた環境問題を前提にした、技術開発の促進や導入支援等を積極的に進めていただきたい。

 また、風力発電の羽根や太陽光発電のパネル等について、有用な資源も多く含まれていることから、環境保全対策の観点からの、これらの資源リサイクルと利活用についても支援する取り組みを進めていただきたい。

 【2015年12月25日】

 

 対県要望書

 

Ⅰ. 雇用・労働・経済・税制政策

 1. 雇用の安定・創出に向けた取り組みについて

 青森県内の2015年10月の有効求人倍率は0.97倍となっており、これまでにない高い水準となっているものの、全国平均と比べ低い状況にあり、格差が拡大しているとともに雇用のミスマッチもみられます。加えて、新規高卒者・大卒者の県内就職希望者が増えている状況もあることから、雇用創出に向けた実効ある中長期計画を策定し、優秀な人材が県内に就職できる環境を構築していただきたい。

 2. 青森県の賃金・労働条件の向上について

 平成26年賃金構造基本統計調査によれば青森県の男女計の所定内月額賃金は22万6600円で全国最下位であり、全国平均より7万3000円低く、最高の東京都とは15万800円も低いという実態にあります。全国最下位の賃金実態の克服に向け、県外への人材流失の防止、女性の就労促進、非正規労働者の処遇改善のための取り組みを実効あるものにしていただきたい。

2015年青森県の最低賃金は695円(2016年は21円引き上げられ716円)であり、全国平均(798円)より103円低く、東京都(907円)より212円も低い実態にあり、逆に格差が拡大しています。県内各企業に対して、賃金改善と最低賃金を時給860円以上とするよう指導していただきたい。

 あわせて、賃金だけでなく、労働条件向上にむけて県内企業に対して知事がリーダーシップを発揮して労災事故の撲滅にむけた対策も含め実効あるものにしていただきたい。

 3. 公契約条例の制定に向けて

 公共が発注する事業(公共工事)においては、公共サービスの質の確保、地域経済及び地域社会の活性化、地域における適正な賃金水準の確保により、住民の福祉に寄与することを目的として、県が率先して県発注の公共工事に対する公契約条例を制定し、県内市町村に対する指導も強化していただきたい。

 4. マイナンバーの利用開始を目前とした対応について

 2016年1月のマイナンバー利用開始を目前にひかえ、個人情報保護策が住民のニーズに的確に反映されたものとなるように条例を制定するとともに、住民への理解促進に向けた対応をおこなっていただきたい。そのため担当職員の要請・増員等を図っていただきたい。

 

Ⅱ.福祉・医療政策

 1. 切れ目のない医療サービスを提供する体制の確立について

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される平成37(2025)年の「地域包括ケアシステム」構築を着実にするための「地域医療構想」を策定するにあたり、以下の項目を盛り込み策定していただきたい。

 ① 地域医療構想には、医療機関(病床)の機能分化と連携や、認知症高齢者対策を含む医療と介護の連繋を推進するための具体策を地域医療構想に盛り込むこと。

 ② 国の「地域医療構想策定ガイドライン」で示された各医療機能の分類(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を行い、2025年における医療機能ごとの必要量を適切に推計すること。

   また、慢性期の入院受療率に見られる地域差の解消目標を2025年までに達成してすること。

 ③ 病床機能報告制度で得た情報を住民にわかりやすく公表し、医療機関の選択に資する情報提供をおこなうこと。

 ④ 2014年度診察報酬改定による急性期病床(7対1看護配置)の要件強化を踏まえ、医療機関の機能分化を通じて、退院/転院患者の受け皿となる病床(地域包括ケア病棟など)の適切な整備をおこなうこと。

 2. 青森県の医師・看護師の確保に向けて

医師・看護師など医療従事者の離職を防止し、地域の医療人材を確保するため引き続き医療勤務環境改善支援センターと連携しながら改善をおこなっていただきたい。

医療従事者へのアンケート調査では、「努力に見合う賃金改善」「休日の容易な取得」「夜勤や時間外労働など労働時間管理の徹底」「夜勤・交代制勤務における勤務間の十分なインターバル時間の確保」の要望が多かったことから重点課題として対応していただきたい。

また、ワーク・ライフ・バランスの確保を重視し、出産・育児を理由とする離職防止をはかるため、従事者が選択できる多様な働き方や、育児・介護の両立支援などの環境を整備していただきたい。

3. 地域共生型ケアサービスの提供について

富山型デイサービスとして、高齢者・障害者、子どもが空き店舗、空き家などのスペースを活用して、そこに共生することが注目されています。これは、厚生省が財政支援する「地域共生型福祉施設」です。この取り組みは地域住民が誰でも参加でき、地域に密着した施設を運営することで、それぞれの負担の部分を補い、効果がでている事例が北海度をはじめ、全国で数多くあります。この制度を活用すれば、国から市町村に対する交付金「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(ハード交付金)」と「地域介護・福祉空間整備推進交付金(ソフト交付金)」が得られます。

したがって、受け入れるNPOなどを選出するとともに補助をおこない地域共生型のサービスの推進と普及をはかっていただきたい。

また、小規模運営とは別に既存の大規模施設の空きスペースや民間で新たに設置する施設へ高齢者と子どもが隣接する施設などをつくり、上記と同様にメリットを活かした都会型の共生施設についても検討しながら推進していただきたい。

4. 生活困窮者の自立支援体制の確立について

平成27年4月から生活困窮者支援法が施行され必須事業となった、「自立相談支援事業」「住居確保給付金」などについて、運営などを明確にしたうえで確実に実施するとともに滋賀県野洲市などの好事例の情報収集に努め、事業の改善をおこなっていただきたい。

また、就労準備支援事業・一時生活支援事業・家計相談支援事業・学習支援事業その他生活困窮者の自立促進に必要な事業などの任意事業について、積極的に実施するとともに、あわせて、補助率については4分の3とするよう国に働きかけていただきたい。

5. 児童虐待の問題について

児童虐待防止法では、児童虐待を保護者がその監護する児童に対し、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、育児放棄などの行為をすることと規定しています。児童虐待を受けた児童は、「暴力行為の加害者もしくは被害者」、「不安や自己破壊的行動」、抑うつ、喫煙、肥満、ハイリスクな性的行動、などの疾患の原因になるといわれています。

近年の調査によれば、児童虐待の実数は横ばい状態にあるとされていますが、児童相談所における児童虐待の相談件数は増加しており、児童虐待によって子どもが死亡したケースは増えている実情にあります。

日本は欧米諸国と比較して児童虐待を担当する職員が少ないという特徴があり、それだけに児童相談所の児童福祉司の増員が必要であり、相談所のあり方も含め改善を図っていただきたい。

 

Ⅲ. 子育て・教育政策

 1. 新規学卒者の離職防止のための学校教育について

新規高卒者の入社・就業3年後の離職率は平成23年のデータで48.9%と全国平均に比べ9.3ポイントも高い状況にあり、県内の前年度比較でも2.5ポイント高い状況にあります。現状として非正規労働者が増加傾向にあり、一旦離職してしまえば正社員にはなかなかなることが難しい状況となっています。

 したがって、働くことの意義やワークルールについて、働く前に学ぶことが重要と考え、学校授業などへ職場体験談やワークルール、キャリア教育など学ぶ機会を増やすとともに、県立農業高校や実業高校を5年制として短大を併設し、各種国家資格を取得できる専門学校とすることも検討していただきたい。

 2. 小学校への技術・技能を体験させる取り組みについて

高い技術・技能を受け継ぐ優秀な人材を確保するため「ものづくり」の魅力を伝える教育を強化する必要があります。ものづくりの技術者を育てることが、新たな技術を生みだすことになり、学校と県内企業との連携や優秀な人材の就職により県内の企業が発展することに繋がります。

 ものづくりに興味を持たせるためには、小さい頃からのふれ合いが重要と考えます。そのことから、青森県内では自治体や民間企業で設置されている科学館、PR館などを活用し、小学校の野外授業や遠足または優待券を発行するなどして「ものづくり」や技術・技能を学ぶ機会を増やしていただきたい。

 また、必要に応じて学校に対して施設利用・交通費などの費用の補助を実施するとともに割り当てなどをおこないながら数年で全校が体験できるなどの措置をおこなうこと。

 特に伝統工芸品として、津軽塗、黒石こけし、八幡馬、こぎん刺し、鳩笛などについては工芸家の成り手がいなく文化が引き継がれない懸念もあることからその対策をおこなっていただきたい。

 3. いじめ・体罰・不登校問題の解消に向けて

近年、「いじめ」が原因の可能性のある自殺が起こっています。結果は「いじめ」が直接的な原因でなかったものもありましたが、いずれも「いじめ」の実態があったことは明らかになっています。

 また、教師による行き過ぎた体罰についてもニュースになっています。このようなことから、養護教諭を複数配置するとともに、スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーをすべての小・中学校に常勤配置していただきたい。

 4. ICTを活用した学力強化の推進について

全国的に教育現場においても、ICTを活用した環境が整備され普及しています。

 しかしながら、青森県については教室内のLANの整備率、校務パソコンの配備率、ICTの活用率が全国平均以下となっています。

 今後のスピード感あるグローバル化への対応や学力強化のためにも教育現場でのICTの整備、ICT活用の推進に向けた市町村への支援を強化するとともに、教職員に対するICT教育についても活用の実態を把握したうえでスキルアップに向けた研修をおこなっていただきたい。

 5. 司書教諭の配置について

 青森県の公立小・中学校の司書教諭の配置状況は、平成24年5月現在で、小学校が44人、中学校が18人となっていて、発令率も21.2%、16.1%と全国平均の23.9%、26.0%を下回っていますので司書教諭の増員をしていただきたい。併せて、学校司書の増員もしていただきたい。

 

Ⅳ. 環境・防災政策

 1. リサイクル率を高めた低炭素型社会の実現について

青森県は一人あたりの一般廃棄物のゴミ排出量が多い現状にあり、全国でもリサイクル率が下位の状況となっています。一般家庭ゴミの分別とリサイクルステーションの更なる活用やオフィス、県内各市町村に対する積極的な啓蒙とゴミの減量化の推進を図っていただきたい。

 事業系のリサイクルの向上については、八戸市で実施しているエコタウンのようにゼロエミッションをめざし、エコ実践企業などと連携して更なるリサイクルの向上に取り組むとともに、食品残さについては、フードバンクの利用などについても検討していただきたい。

 2. モバイル等を活用した災害情報について

東日本大震災から早くも4年が経過しており、災害に対する認識は高まっています。しかし、最近は今までの常識や想定をはるかに超えた巨大台風や竜巻などが発生しているとともに洪水や土砂災害も各地で発生している状況にあります。

 現在、様々なところでモバイルによる防災に関する情報発信をおこなっているところですが、河川の水位情報や暴風情報、その他の気象情報など県または各市町村で推奨するアプリなど、万が一に備えるための情報の取り方について広く周知していただきたい。

 また、災害発生時に土地勘がない観光客への災害情報をリアルタイムに配信するための対策をおこなうとともに、日本語のみならず英語、中国語・韓国語など多言語での対応をおこなっていただきたい。

 3. 環境に配慮した自然共生型防災社会の構築について

 観光立県をすすめる本県にあっては、環境に配慮した観光自然資源の保全とともに里山と観光施設が共存共生しつつ、しかも災害に強いまちづくりが求められています。自然災害の少ない本県の利点をさらに有効活用するとともに、自然とヒトが共生できる防災の面でのメリットを強調する施策を講じていただきたい。

 

Ⅴ. 農林漁業政策

 1. 農村の所得対策と集落維持について

「日本創成会議」増田レポートでは、県内40市町村のうち35市町村が「将来的に消滅する恐れが高い」と指摘されています。

 本県の基幹産業は一次産業であり、「攻めの農林水産業」を掲げ所得と雇用の確保を目指すという農業政策は十分に評価できるものです。しかしながら、とりわけ人口の減少が著しい農山漁村においては、いわゆる集落の消滅が喫緊の課題であるとともに、集落の消滅は地域文化の消滅のみならず、農地や山林など国土保全や環境の観点からも大きな課題であります。

 2014年産米価は大幅な下落となり、大規模経営農家ほど大きな影響を受けました。

 このような農林水産業を取り巻く環境は、コメの生産調整の廃止や経営安定対策の段階的縮小などで一層厳しさを増しています。県独自の取り組みとして、戸別所得補償制度により農業経営の下支えをすることにより、持続的再生産可能な制度の創設を検討していただきたい。

 2. 水産業の担い手育成と経営の安定化について

水産業の担い手育成のため、就業準備講習や漁業就業相談会の開催、漁業現場での長期研修などの支援を通じ、漁業への新規就業者を促進するとともに、漁業における、安全操業の確保や労働条件の整備を推進し、雇用管理の改善に努めていただきたい。

また、「資源管理・漁業所得補償対策」の加入率向上や、「水産業体質強化総合対策事業」の実行などによる生産性・収益性の向上などを着実に推進し、漁港の一般利用を促進させ、併せて漁業従事者の所得確保ならびに持続的かつ安定的な漁業経営の確立をはかっていただきたい。

 3. 林業の人材育成と国産材の利用促進について

森林整備を着実に推進し、森林の他面的機能を持続的に発揮するとともに、林業の安定的発展と山村の活性化を図っていくために、森林施業の集約化、路網の整備、人材の育成等を積極的に進めるとともに国産材の振興により、森林・林業の再生を図ることが緊要となっています。

 「農林水産業・地域の活力創造プラン」および改正森林法等に基づく、「緑の雇用」事業などの支援・環境整備の充実を図るとともに、「人財育成マスタープラン」に基づき、地域林業を指導するフォレスター及びフォレスターを現場で支える人材の育成を図っていただきたい。

 また、林業における労働安全の確保や労働条件の整備を推進し、雇用管理の改善に努めるとともに、国産材の利用促進を通じて、木材自給率の向上を図り、違法に伐採された木材を輸入しないよう監視と規制を強化していただきたい。

 4. 森林保守の予算措置と森林環境税の導入について

 水源涵養や山地災害の防止、木材生産など多面的機能を持つ森林は重要であり、長期的な森林整備計画が必要となっています。

 山村の荒廃が深刻化している現在、森林の機能維持や回復を図ることが課題であり、森林資源の循環利用を通じた、将来のCO2森林吸収量を確保するためには、長期的な森林整備計画が必要であります。

 森林・林業・木材関連産業の活性化に向け、二酸化炭素吸収源対策と併せ、戦略的な投資予算や安定的な財源となるよう、森林面積約64万ヘクタール、県土の約66%を占める本県の森林を守るため、具体的に予算措置が拡大されるように国、関係機関への働きかけを一層強化するとともに、県としても森林環境税を早期に導入する等、予算拡大を講じていただきたい。

 

Ⅵ. 公共交通政策

 1. 運転免許返納者に対する優遇支援措置について

高齢者は今後ますます増加していく傾向にあるなかで、高年齢者は視力が低下することや反応速度が遅くなり、ブレーキとアクセルの踏み間違い、一方通行の逆走などの事故も見受けられています。

 青森県では「運転免許自主返納者支援事業」を展開し、企業の協賛を募り運転免許を自主的に返納しやすい環境を整備し、高齢者に係る交通事故の防止を図っておりますが、企業の協賛だけでは事業の拡充を図ることは難しいことから、公共交通機関やタクシーなどの利用の促進と、交通事故を未然に防ぐ観点から運転免許自主返納者への優遇措置の内容を、今よりさらに内容を拡充するための措置を講じていただきたい。

 2. 青森県内の高規格道路及び下北半島縦貫道路の早期完成について

本県の景気を活性化させるためには、円滑な物流と安全な道路の確保が必要であり、地形事情を配慮した主要都市間をつなぐ高規格道路の早期完成を図っていただきたい。

 また、下北半島縦貫道路については、下北半島と上北地域を結ぶ道路が限られており、豪雪等による交通障害発生時には国道279号線のう回路として、また原子力施設のUPZなどの関係から縦貫道路の早期全線完成が強く求められているとともに豪雪などの災害時の対策を講じていただきたい。

 3. バリアフリー法施行に伴うバス停等の整備について

平成18年12月に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)が施行され、路線バスには車いす対応車両が導入されています。しかし、バス停において、歩道の段差等によってうまく乗降装置(スロープ)を使用できない箇所がたくさんあり、場合によっては、道路の中央に停止しないと乗り降り出来ないといった不都合も生じていることから、高齢者や障がい者に優しいバス停の環境を整備していただきたい。

 4. 交通政策基本法に対する対策について

2013年12月、人口減少、少子高齢化、国際競争の激化、巨大災害の発生など、交通による環境への負荷の低減、交通の適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携と推進、交通に関する施策についての基本理念を定め、国の責務を明らかにしたのが交通政策基本法で、この法律によって交通政策基本計画が策定されています。基本法の制定により、地域公共交通活性化・再生法が見直しされ、県では市町村と協同で、「活性化再生法定協議会」をつくれることになり、頑張っている地域が重点的に国の支援を受けることができるようになっています。法定協議会により、事業者と自治体の対等な関係づくり(パートナーシップ契約)、モードフリー制度(おでかけサービス提供)でタクシーを乗用事業として公共交通として機能させることも可能となります。

この法律を活用して、今後の地域公共交通改革を実効あるものにしていただきたい。

 

Ⅶ.まちづくり政策

 1. 人口減少に対応した経済政策の創出

国は、「人口減少と地域経済縮小の克服」、「まち・ひと・しごとの創世と好循環の確立」を基本的な考え方として、2016年3月までを目処に地方版「総合戦略」を策定することを努力義務としています。

 しかし、地方自治体においては公務員の人員不足などから策定が困難な場合があることから、地域活性化のために県がリーダーシップを発揮し、その策定のための情報提供やアドバイスまたは人員を派遣していただきたい。

 また、策定にあたり首都圏などのように一極集中することがないよう、圏域として調和のとれた発展に繋がる施策を展開するとともに、今後の見直しにあたり、「しごと」をしている労働者の意見が必要なことから審議会や意見聴取の場を設けていただきたい。

 2. 雪に強いまちづくりに向けて

毎年、青森県内は12月から2月末、津軽地域を中心に大雪に見舞われます。

 また、降雪の少ない県南地域においても一昨年度は大雪に見舞われました。毎年、雪に伴う除排雪については、住民から多くの除排雪に関わる問い合わせが寄せられています。

 ICT技術の進化により、リアルタイムに降雪量の測定が可能となってきており住民が降雪模様の映像を撮影し、各自治体へ情報提供する仕組みも可能となっています。

 したがって、限られた人員の中で除排雪を円滑に進めるため、各自治体に対しICTを活用した対策を推進することの指導と支援をしていただきたい。

 3. 観光客誘致強化・推進に向けて

2016年3月26日には、北海道新幹線の開業により青森全域と函館との間の交流人口の拡大が期待されます。クルーズ観光の需要の拡大やアジア地域の経済成長に伴い、外国クルーズ客船のアジア配船は増加しています。県庁職員をはじめ、市町村職員の英語力のスキルアップをはじめ、英語・中国語・韓国語のできる職員の配置とともに、県民を対象とした語学教室の開設など、一体となったおもてなしの体制を図っていただきたい。

このような中、訪日外国人観光客からは、道路・施設の標識等に英語・中国語・韓国語の表示や、観光先での情報収集に利用するWi-Fi の接続性について多くの不満の声が聞こえています。

 観光客の誘致拡大に向け観光客の動線を意識し観光・防災拠点/宿泊施設/交通拠点等への外国語での表示や、広域にわたるWi-Fi 整備を2020年のオリンピック開催を1つの節目に段階的に実施していただきたい。

 また、Wi-Fi の整備については青森県庁が主導して利用者がどこでも簡易に利用可能なように認証方式の統一化などの整備を図っていただきたい。

 4. 投票率向上に向けて

 本年、4月12日に執行された青森県議会議員一般選挙の投票率は51.08%で、前回の選挙(平成23年4月10日執行)の投票率51.68%と比較すると0.6%のマイナスという結果になりました。また、これまでの国政選挙の投票率も全国最下位ランクに位置しています。次の国政選挙から、18歳投票制が始まることから、これまで以上に投票率アップに向けた取り組みが求められています。

 青森県においては、既存の期日前投票所の他に弘前大学、青森中央学院大学、マエダ本店などで投票所の開設が取り組まれていますが、引き続き人が多く集まる場所(ショッピングセンターなど)へ期日前投票所の開設を行っていただきたい。

 また、投票率向上のために記号式投票を導入すること検討していただきたい。

 

Ⅷ. 核燃・資源・エネルギー政策

 1. 原発・核燃料サイクル政策について基本的な考え方について

県民生活の安心と安全を守る立場から、青森県内に存在する原発と核燃料サイクル施設については、2011年3月の福島第一発電所の事故をみるまでもなく、いまだ県民の不安を払しょくされていないことから、再処理工場をはじめとする核燃料サイクル施設を廃止し、東通原発と大間原発、むつ中間貯蔵施設についても稼働に同意しないでいただきたい。あわせて、六ヶ所再処理工場に搬入されている使用済核燃料を即刻、発生源の原発に搬出していただきたい。併せて、再処理工場のアクティブ試験で再処理され発生したウラン、プルトニウム、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体、廃液)などのすべての放射性物質を発生源の原発へ搬出していただきたい。

 2. 原発・核燃サイクル施設等原子力施設の安全性について

 2011年3月の福島第一原子力発電所の事故により、国の原子力安全規制が原子力規制委員会に一元化され、既存の原発・原子力施設についても新規制基準がバックフィットされることになったことから、本県に立地する原発・核燃サイクル施設(六ヶ所再処理工場・MOX燃料加工工場、東通原発、むつ使用済み燃料貯蔵施設、大間原発)においても再稼働するにあたり、新規制基準によってその適合性審査を原子力規制委員会が行うこととなっています。その他の原子力施設も現在、原子力規制庁で審査を行っています。

 これらの施設の稼働・再稼働にあっては県民の安全・安心を第一義として、福島原発事故の教訓をいかし、県としての独自の規制のあり方も含めて検討し、安全性の検証にあたっていただきたい。

3. 原子力防災対策の充実・強化について

福島第一原子力発電所の事故を受け、原子力発電所における緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)が30㎞に拡大され、東通原発において対象となる自治体(東通村、むつ市、六ヶ所村、横浜町)では、防災計画等の策定を行っています。

 しかしながら、避難時の体制が未整備の自治体もみられることから、実効性の確保に向けて、青森県が強いリーダーシップを発揮し、国との連携や協力体制を含め積極的な検討および対策を講じる支援の強化をおこなっていただきたい。

 また、青森県において、原子力発電所で原子力災害が発生した場合の広域避難に係る諸課題について検討し、避難対策の充実・強化を図るために「原子力災害避難対策検討会」が設置されていますが、2015年9月15日における検討状況をみたときに、PAZ県内の3千人の避難計画、UPZ圏内の7万3千人の青森市や弘前市の避難所への避難計画はあまりに実効性に乏しいものとしかいえず、夜間、厳冬期の避難計画と合わせ、繰り返し避難訓練を行いつつ、実効性を高めて県民の不安を払しょくしていただきたい。

 加えて、避難時における避難場所(受け入れ先)や必要物資拠点の設置に向けて、いまだに避難所の設定や要員確保計画が定まっていないことなど、青森県内のみでは対応が完結できないことも考えられることから、隣県との協力体制を構築することも併せて検討していただきたい。

 4. 放射線およびエネルギー政策に関する県民への理解活動、将来を担う人材の育成について

 青森県では、「モニタリングつうしんあおもり」等の広報誌を定期的に発行し、原子力施設周辺における空間放射線の測定結果等を公表することで、放射線に関する正しい知識の普及につとめています。

 一方、エネルギー政策に関して、「エネルギー基本計画」の策定など、一義的には国が責任を持って策定するものでありますが、エネルギー政策をめぐる課題の解決のためには、県民の原子力に関する心理とともに、日常生活や雇用、産業・経済活動に密接に関係することから、県民の理解と協力が不可欠です。

 ついては、放射線に関する知識の普及活動については、原子力推進側の情報だけではなく低線量被曝の新しい知見も含めて継続するとともに、エネルギー政策をめぐる日本の現状や国際的な動向、再生可能エネルギーや原子力発電の諸課題等についても公正・公平に広報・コミュニケーション活動を行うことで、県民の不安解消や理解度向上に資する取り組みを進めていただきたい。

 あわせて、青森県および日本の将来を担う子どもたちに対して、4年半以上経過した現在においても原発から45km離れた福島県飯舘村では10倍の放射線量を測定している福島原発事故を教訓として原子力をめぐる様々な見識や考え方を示して、資源やエネルギー・環境に関する教育に積極的に取り組んでいただきたい。

 5. 再生可能エネルギーに関する技術開発の促進や導入支援等について

 エネルギーの安全保障や地球温暖化対策等の観点から、より一層、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電や地熱発電などの再生可能エネルギーの導入を進めていくことが重要であると認識しています。

 一方で、導入の拡大にあたっては、発電コストの低減や需給調整や系統の安定化対策、高効率・大容量蓄電池の開発・実用化等の課題も存在します。

 青森県においては、「青森県エネルギー産業振興戦略」を策定し、再生可能エネルギーの導入や関連産業の振興に取り組んでいます。県民の負担抑制やエネルギーの地産地消(PPSの導入・設立)を進めていくためにも、国や関係機関と連携し、CO2排出量削減を含めた環境問題を前提にした、技術開発の促進や導入支援等を積極的に進めていただきたい。

 また、風力発電の羽根や太陽光発電のパネル等について、有用な資源も多く含まれていることから、環境保全対策の観点からの、これらの資源リサイクルと利活用についても支援する取り組みを進めていただきたい。

 

 

 

 

【2015年11月13日;金曜日】

 

「新市庁舎のあり方」を考える会の提案;

 

はじめに

 

 これまで幾多の検討議論を重ねて、ようやく「青森市役所庁舎整備基本計画」をもとにその実施設計にむけてスタートしたことは30万市民としても喜ぶべきことであります。 

 そして、この11月末には基本設計が示される予定でもあり、さらに一歩踏み出すことになっております。この間の市をはじめ、関係各位の努力、とりわけ市民アイデア委員会の設置や先の基本設計中間報告会の開催など、広く市民意見の聴取に努めてこられ、市民への広報にも努めてこられたことに敬意を表するものであります。

 私たちは、新庁舎の建設にあたってこれまで示された青森市役所庁舎整備基本計画やその後の基本設計中間報告を検討した結果、基本設計がまとまる前に、さらに市民意見を反映していただきたく、市民有志で「新市庁舎のあり方」を考える会を立ち上げました。

私たちは、まったくの素人集団でありますが、基本計画のコンセプトから庁舎配置計画、建築や予算計画のあり方、等々について、できるかぎり精査してみたつもりです。資料の入手、その読み込みも十分とは思いませんが、青森市をこよなく愛する市民有志として基本計画をもとに細部にわたってはば広く検討を加えてまいりましたので、ご検討いただければと思います。

このたびの私たちの提案の主要ポイントは、以下の5点であります。

1 15年後に予定されている第2期工事をとりやめ、第1期工事だけにする。

2 第1期工事(新庁舎)について、若干の見直しをし、100億円予算については柔軟に対応する。

3 第2期工事を中止する関係上、第3庁舎を取り壊し、駐車場並びに西側道路を拡幅する。

4 第3庁舎跡地も駐車場に加え、屋上も含めて4層構造(300台収納)とし、東側部分の敷地を広場に加える。

5 新庁舎・駐車場と議会棟に囲まれた敷地を「青い森広場」として市民の憩いの場・集いの空間として活用する。

 

 

第一章 基本的なスタンス

 

 私たちは、今回の提案にあたり以下の基本的なスタンスで臨むことにしました。

1 青森市の一大事業である市庁舎の在り方を市民の目線ですすめる

―あくまでも一般市民の目線で、できるかぎり市民にわかりやすいようなアプローチでこの市庁舎建設の核心に迫った提案をしていきます。

 

2 都市計画・建築に対する市民レベルでの意見として、将来を見わたせるような新しい庁舎を市民がつくりあげる見識を示すべきではないのかとの視点で提案します。

 

3 「市庁舎のあり方」を考える会は「青森市役所庁舎整備基本計画」(平成26年8月決定)を基に行政・議会・事業者にとらわれない市民で構成し、具体的なアイデアを提案するものです。

 

4 これまでの青森市民の新市庁舎建設をめぐる市民の関心度合いは高いとは言えず、市民意識の向上と啓蒙のためにも公開するなかでこの提案を広く市民各界各層に喚起していきたい思うものです。

 

5 とりわけ基本計画が決まってからの市庁舎問題についての市民からの意見反映は決して多いとは言えず、市民の側にもあきらめとためらいがあったことから、基本設計が決定になる前に市民意見を提案することが必要であると考えます。

 

6 これまでの行政で行ったアイデア委員会は庁舎ワーキングとしていましたが、実際に与えられたテーマは建築プランでなく使い方が中心であったことから、一般市民の目線で建築計画への参加、意見の提出は今回が最後ととらえ、その意味でも今回の提案を具体的に検討してもらう最後の機会となると考えています。

 

7 公共建築に対する市民意見の提起提案は近年では当たり前のこととなっていますが、青森市でもそうしたシステムをつくっていく今回はいい機会だととらえています。

 

8 「市役所庁舎のあり方」を考える会は「市庁舎づくり青森市民アイデア委員会」の委員を中心に、以下の通りのメンバーで構成しています。

     代表    山内修(アイデア委員会)

     幹事    中村公英(アイデア委員会)

            中崎良次(アイデア委員会)

            田川伊吹(あおもりグランドデザイン会議)

            笹田隆志(市役所庁舎のあり方に関するワークショップ) 

 

 

第二章 青森市役所庁舎整備基本計画・プロポーザル中間報告について

 

1 コンセプト

  インパクトのある、あおもりらしさのあふれた表現としていただきたい

 

2 新庁舎のあるべき姿(必要な機能)

 「建物はひとつの街 街は一つの建物」という発想で、個性ある機能の追求も必要ではないでしょうか。

新庁舎の必要な機能については、当然必要な機能であり、異存はないものの、敷地約1万3千㎡を有効かつ機能的に活用することが望ましい。そのため、第1期工事の新庁舎の四囲の道路(国道・南側・日銀側・議会側)までの間隔、動線を考慮した配置、調和のとれたものになるよう可能な限りの変更を加えてほしい。そして、新庁舎・駐車場・広場を一体感あるものとし、景観をも配慮した、個性的な配置・デザインにしてほしいものです。

 

3(基本)設計・中間報告のプロポーザルについて 

全体的によく考えられて、地元サービスにあふれた設計(佐藤総合計画・青森建築家集団設計共同体)とは思います。

  プロポーザルの内容に対する意見についてふれておきます。

  1 「エコ御柱」について

    御柱は長野県諏訪神社の祭りのイメージで、青森市三内丸山遺跡の六本柱のイメージと混同しているのではないかとも思われます。新庁舎のイメージを三内丸山の縄文遺跡にこだわるのであれば、六本柱のイメージと重ね合わせるのが妥当と思います。この御柱とエコを結びつけて「エコ御柱」とネーミングして「あおもりらしい市庁舎」とするのは、いささかこじつけの感がします。

  2 「白いねぶた」について

    ねぶた祭は郷土のもつ素晴らしい財産であり、観光資源でもあることから、「白いねぶた」についての概念は、いまだ認知されてはいるとは言い難いので、イメージがはっきりしないと思います。

 

4 新庁舎のあるべき5つの機能について

 以下の点を考慮して、基本設計に反映してほしいと思います。

1.来庁者が用務のためだけでなく、日常的に集い、憩える場とするためには、庁舎・駐車場・広場が一体感をもち、あずましく思える市役所とすべきだと思います。

2.そのため、国道から来庁する市民の動線と圧迫感を考慮し、庁舎位置をできるだけ南方へずらし、国道歩道からの距離を広くとる必要があると思います。

3.駐車場の敷地をできるだけ狭くし、屋上も駐車場に活用(3層を4層に)することで、駐車場の圧迫感も多少解消でき、空いたスペースを広場にすることができると思います。

 

5 にぎわい創出について

  にぎわい創出のために使用できるスペース、庁舎のフロアーが具体的に明示されていないので具体的に提示してほしいと思います。

  とくに、一階のエントランス(そこに至る動線も含め)、ロビー、そして「青い森」広場が、市民の憩いの場、集いの空間として、にぎわい創出の鍵となるもので、ここをどうレイアウト、デザインするかが最大のポイントと思います。ぜひ、実効性のあるデザインをお願いするものです。

 

 

第三章 私たちの提案

 

私どもの提案の第1は、思い切って2期工事を想定から外すというもので、市庁舎建設は1期工事だけにするというものです。もしくは2期工事は議会棟だけにするという発想です。

第2の提案は、市庁舎建設を1期工事だけとし、全体の100億円予算にこだわらず現実的かつ、柔軟な対応をすることで対応するものです。

第 3の提案は、第2期工事をやめるのに伴い、駐車場の平面を正方形とし、西側道路を拡幅するというものです。

第4の提案は、撤去した第3庁舎の敷地を駐車場のスペースに加え、屋上も駐車した4層構造(300台収納)とし、南面壁面にソーラー設備を設置するというものです。

第5の提案は、駐車場を4層とすることで、1階東側部分にカフェ・コンビニ等を配置するとともに、空いた東側スペースを「青い森広場」(3300㎡)として庭園緑地も含めた広場として市民の憩いの場、賑わいの空間として活用してもらうというものです。「青い森広場」の運営についてあらたに市民のアイデアを募集することにしてもらいます。

 

1 建築全体に対する提案

 1. 100億円予算に合わせた計画ですが

東京オリンピックまでは資材、工費の高コストが予測されます。(現庁舎の)撤去、議会棟等の耐震補強もあり、予算的には厳しくなるのではないでしょうか。あまり予算の上限にこだわるのは、庁舎建設の本来の目的にそぐわないことから、100億円予算にこだわらず、きちんとした試算にもとづく柔軟な対応をすべきではないでしょうか。(建築の坪単価120万円、㎡単価40万円として試算しますと、新庁舎の総床面積21500㎡とすると建築費用はおよそ86億円となります。これに、駐車場、現庁舎撤去費用、新庁舎什器備品の費用が加わります。)

  

 2. 2期工事を前提としていますが

基本計画における平面プランは2期工事を前提としています。更に現本庁舎の北側棟(第1庁舎)は工事中も手を入れないことになっており、また、第3庁舎も残すとなっています。そのため、いろいろな制約が生じ、いくつかの問題が派生しています。

人口動態調査予測では、平成50年で人口が最大22万人、最少19万人となっています。このデータを信頼して、床面積を試算してみます。

基本計画では、庁舎整備後の庁舎規模は38000㎡(第1期工事21500㎡、浪岡庁舎4500㎡、柳川庁舎と第2期工事12000㎡)ですし、平成50年の庁舎面積は24500㎡と試算しています。

   現在の基本計画の第1期工事の新庁舎棟の床面積は10階建てで21500㎡です。 

新庁舎棟は10階フロアの二層化も検討されていますので、二層化にすることによって、23000㎡強まで可能になるはずです。

さらに、アウガの市保有のフロアの活用等を考えると、第1期工事分だけで24500㎡の庁舎スペースは十分に確保できることとなります。

したがって、私たちは基本計画における第2期工事は不要だと考えます。また、これに伴い、現在進めている市の総合計画(長期計画)に2期工事費50億円を計上しなくてすむことになります。

 

2 補足的な提案説明

① 本庁舎が国道側歩道ギリギリに面しています。もう少し、南側へ配置し、下層階を広くすることで、市民開放のフロアの充実も可能ではないかと思います。

西側道路が車のアプローチとなっていますが、道幅の拡充、歩道の整備がなされていません。南側道路も同様であり、青い森広場も地形がよくありません。

② 「エコ御柱」を最上階まで伸ばすことは、実際のところ700坪(2100㎡)クラスの狭いワンフロアでは使い勝手よくないのではないでしょうか。つまり、約40㎡×10階で400㎡スペースを要し、しかも空調コントロールに問題が発生しないのか疑問になります。トップライトからの光の導入も現実には厳しいかもしれません。

③ 国道側市役所前バス停の見直しが必要ではないでしょうか。現在の停留所は機能、デザイン上も市役所表玄関としてのバス停としてはマッチしないと思われるので、北国型バス停として新しい提案として、庁舎と一体とする方法も考慮したらどうでしょうか。

④ 立体駐車場の平面が広すぎるようなので、屋上も駐車場にし、フロアの増で対応できないのでしょうか。第3庁舎を撤去して西側の活用をするのもポイントではないかと思います。

⑤ 「青い森広場」の使い勝手、機能の整備が市民に開かれた広場として賑わいを創出できるのではないでしょうか。また、地震や津波等の緊急時における防災避難場所としての利用も可能となるのではないでしょうか。

 

3 具体的な変更プランは以下のとおりです。

具体的には、設計プランに以下の内容で変更を加えるべきと提案するものである。

① 国道側に北国型バス停を新しく配置したらどうでしょうか

② バスの停車スペースを歩道側に寄せ渋滞を緩和してもらいます

③ 北側正面を日本銀行正面位置まで南側へ下げていただきたいと思います

④ 国道から庁舎東側へ進入するアクセスを緩和してもらいたいものです

⑤ 新庁舎南東部の張り出しは不要ではないかと思いますので、この部分の活用は可能なはずです

⑥ 新庁舎と議会棟との連絡橋はどうするのでしょうか、明確にすべきではないでしょうか

⑦ 2期工事については、人口減と職員減を考慮すれば、必要ないと考えます。併せて、第三庁舎も不要となるので、この際撤去して、駐車場にします。あわせて、できれば現第一庁舎(北側)も撤去し、全体的に新庁舎を南側にずらし、国道との間隔を広げるというのはどういうものでしょうか

⑧ 西側道路を拡張し歩行者の安全を確保したらどうでしょうか。そのためにも第3庁舎の撤去は必要ではないでしょうか

⑨ 駐車場の一階部分を活用してテナント(コンビニ・カフェ)を入れたらどうでしょうか。「青い森広場」活用との相乗効果と駐車場東側の壁面デザインとの調和も考慮すべきと思います

⑩ 駐車場南面にソーラーを配置し、4階屋上を駐車場にすれば(300台)確保できることになります

⑪ 議会棟と駐車場のスペースを「青い森」広場とすることを提案する。(市民のための広場であり、別途の組織を立ち上げて予算化もして運営、組織化すべきと考えますそのため1000坪の用地を確保することが必要です)

⑫ 議会棟の壁面を補修し、モダニズム建築としてデザインをそのまま残すべきです

⑬ 敷地南東部の道路との境界を「青い森広場」としての聖域を示す処理を行います

⑭ 南側道路の拡幅整備とあわせ、議会棟とのコーナーをギリギリまで拡幅することで対応します

 

 

まとめ

 

私どもの上記の提案を、青森市及び青森市議会は真摯に受け止めていただき、実施設計に反映していただきますよう、こころからお願いするものであります。

 

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